金融機関の手続き

家を建てる方の多くが住宅ローンを利用されると思います。しかしわからない事だらけだと思います。初めてなら当然ですよね。

いつ何をすればいいの?

 まずはどの銀行にもある住宅ローン相談窓口に電話をしてみる事をお勧めします。「家を建てよう!」と思ったらすぐに!

これは各銀行によって仮審査の条件に差がある事や、この先長い付き合いとなる金融機関の担当者との関係を少しでも構築した方が、融資の条件などにも少なからず影響する為です。さらに土地+注文住宅でローンをお考えであれば、土地購入時と中間金支払時につなぎ融資が可能か等確認しておく必要もあります。

それと蛇足になりますが精神的な面に於いても、この一つの行動が「自分の家を建てる」という決心の後押しをしてくれると思います。

他行とも比較してみたい!という方には比較サイトも有ります。

 

 次に金融機関に出向くのは仮審査申し込みの時です。これはその銀行の独自審査(融資額・期間に対する年収や勤務年数などの状況)をクリアできているかを確認する簡易審査です。これには融資の際に担保設定される土地や建物の大まかな情報・見積書も必要となります。つまりタイミングとしては購入する土地を決め、建物のざっくりしたプラン・見積書を施工予定会社に作って貰った直後となります。

 審査期間はマチマチですが、2週間前後と思っておきましょう。

仮審査必要書類

  • 住宅ローン事前審査申込書(銀行より提供)
  • 運転免許証(自己所有)
  • 健康保険証(自己所有)
  • 前年分源泉徴収票(自己所有。無ければ会社にて再発行して貰いましょう。)
  • 確定申告書の写・付票(自己所有。確定申告をしている場合です。)
  • 土地・建物の情報書類(不動産屋・施工会社)※購入前なので登記事項証明書や公図は不動産屋に依頼するのが良いと思います。間取り図や配置図は施工予定の会社からプランとして出して貰う。土地・建物ともに価格がわかるチラシや見積書も必要です。

 

 仮審査のOKが出たら、いよいよ次は住宅ローン本審査です。本審査には施工会社と交わした建築請負契約書と行政から受け取る建築確認書が必要です。ですから仮審査OK→プランの詳細を詰める→建築請負契約を結ぶ→施工会社が行政に建築確認を申請→建築確認書受け取り→住宅ローン本審査申し込み という流れになります。

「でも建築請負契約を結んだけど住宅ローンの本審査で落ちたらどうするの?」という心配は不要です。建築請負契約を結ぶ際に「ローン特約」が付いているかを確認してください(普通は付いていますが)。これはローンの本審査に落ちたら契約を無効にする特約です。まぁ実際に本審査で落ちるのは、カード会社でブラックリストに載っている様なケースがほとんどなので普通は心配しなくても良いです。

本審査必要書類

  • 仮審査提出書類一式
  • 住宅ローン借入申込書(銀行より提供)
  • 個人情報取り扱い同意書(銀行より提供)
  • 団体信用生命保険申込書(銀行より提供)
  • 運転免許証(自己所有)
  • 健康保険証(自己所有)
  • 印鑑証明1通(役所)
  • 住民票1通(役所)
  • 直近の住民税決定通知or課税証明書(役所)
  • 申告所得税納税証明書(確定申告をしている場合。税務署)
  • 売買契約書・重要事項説明書(不動産屋)
  • 工事請負契約書(施工会社)
  • 建築確認済証(施工会社)
  • 他に借入があれば償還予定表・残高証明書

※夫婦合算で申し込む場合などは、それぞれ印鑑証明と所得証明が必要です。

※金融機関に依っては追加で必要な書類が発生する場合も有ります。

  

 本審査のOKが出たら正式にローン契約の手続きをします。

 ここで施工スケジュールと融資実行時期やつなぎ融資についてきちんと確認しておきましょう。返済スケジュールや金利、各種手数料など気になる点があれば、サインをする前に担当者にしっかりと説明を受けましょう。

 契約をしたらあとは融資実行まで金融機関とはしばしお別れです。

 家が完成し引き渡しのタイミングで融資実行して貰います。

  引き渡し時期は施主・施工会社・金融機関の3者で情報共有しておく事が大切です。施工スケジュールや引き渡しの時期に狂いが出たりした場合は、金融機関に逐一連絡をしておきましょう。融資実行日の変更は結構面倒な作業となりますので、契約時にしっかりとその日が都合が悪くならないよう設定しましょう。融資が実行されれば、あとは毎月返済していくだけです。

 ちなみに②の中で「融資の際に担保設定」と書きましたが、返済が滞れば土地建物は銀行の残金返済に充当されるという設定です。これを融資と同時に行います。つまり融資実行日には、融資額が銀行→自分の口座→施工会社の口座と流れ、それと共に司法書士に依って抵当権の設定が為されます。これらは事前に3者+司法書士によって打ち合わせ、必要書類も作成しておきます。

 返済中に繰上返済ができそうなら、その都度銀行と実行日を決め当日出向きます。繰上返済は100万円単位のところが多い様です。繰上返済には手数料が発生する場合があるのできちんと確認を。手数料を発生させない方法は銀行の担当者に確認してみましょう。

 無事完済抵当権を外すと晴れて100%自分の家です(笑)。多くの銀行が完済すると抵当権を外す為の書類を送付しています。必要書類を揃えて最寄りの法務局でちゃんと抵当権を外しましょう。

 

補足

 私は筋ジストロフィーという病気で車椅子ユーザーです。

 施工会社探しをしている時に、ある会社で「障害者は銀行でローンは組めないですよ。持ち家ではなく賃貸でもいいんじゃないですか?」と言われました。その時点で、私は大学を出て正社員を20年程していましたし、妻も正社員で働いていました。自己資金もそこそこ有りましたし、非常に不愉快な発言でした。

 もしこんないい加減な発言を真に受けて、家創りを諦める人がいたらいけないので補足しておきます。ローンの際、障害が問題になる可能性があるのは団信に入る時です。そもそも団信(団体信用生命保険)加入を義務付けていないフラット35等も有りますし、団信が義務でも夫婦名義にして健常者側が団信加入というやり方なら問題は有りません。注意点は建築請負契約書を夫婦連名にして、持分も1/2ずつにしておく事です。ローンの主契約者を健常者にし、障害者を連帯債務者にする事で二人分の年収を元にローンを組めます。

 

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