皆さんはバリアフリー住宅と言うとどんな想像をしますか?おそらく多くの方が「段差を無くす」「スロープや手摺りを付ける」とかそんなイメージだと思います。

では具体的にスロープの傾斜角度はどの位かご存知でしょうか?手摺りの最適な高さは?

漠然としたイメージから一歩踏み込む事で見えてくる事が有ります。

一般にスロープの傾斜角は5度以下と言われます。公共施設ではほぼこのルールで設計されています。車椅子で自力で登れる角度です。

ところが個人住宅になると、とんでもない急勾配などが平気で有ります。なぜか?やはりスペースの問題です。特に既存の家に後付けでスロープを設置する場合、10cmの高さを解消するのに120cmの距離が必要です。

つまり前面道路から玄関までに階段が2段有ったとしたら、階段は低くても15cm/1段なので最低でも高さ30cm。スロープの長さは360cmが必要です。結構長いですよね。つまり新築で家を建てるのであれば、「最初からバリアフリーにする」のかもしくは「後々バリアフリーにする為のスペースを見積もっておく」必要があるのです。

知人で屋内はバリアフリーにしたが、道路から玄関までは階段にした人がいます。まだ30代半ばの夫婦で子供もいます。現時点ではバリアフリーの必要性が高くはないわけです。

ところが彼等の賢い所は、将来的に自分達の両親や彼等自身が年を取り、階段が辛くなる時期が来るだろうと準備している所です。彼等は階段横に将来リフトを設置する為のスペースを確保しているのです。

つまりバリアフリーの家を「建てる」「建てない」に関わらず、将来必要になる可能性は誰にでもありますよ!と言う事なのです。

実はバリアフリー化するメリットは老人や障害者だけではありません。ベビーカーや自転車、妊婦さん、台車を使う宅配業者など恩恵を受ける人が実は多いのです。特にお母さんからすれば、ベビーカーに子供を乗せたまま玄関内まで入れたらかなり楽ではないですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です