先ずは見取り図を・・・こちらからどうぞ(Lixilアーカイブより)。
建築をちょっと齧った方なら目にした事があるのではないでしょうか?
個人邸宅としては、おそらく日本で5本の指に入る名建築だと思います。
阿部勤/建築家の自邸ですが、1974年竣工なので45年前のデザインなのに全く古くない。
「正しく古いものは、常に新しい」を体現している建築です。
この家には「中心のある家」という名前があります。
見取り図を見るとわかるのですが、家の中心に入れ子状の部屋が有る創りです。
動線が緻密に計算されていて、キッチンもペニンシュラであったり無駄の無い機能美の極みです。
その一方で物が少ないかと言うと逆で、非常に雑多な物に囲まれているのに落ち着く空間。
一つ一つに物語のある「スキナモノ」しか置かない箱=我が家・・・そんな解釈なのでしょうか。
映画の中ではこの建物が、小説家である主人公(中山美穂)の家として登場します。