写真からも分かるように、高い位置には窓と飾り棚があります。
そして日常使う物などは、車椅子でもアクセス可能な低い位置に収納が設けられています。
しかしこのデザインの素晴らしい所は「バリアフリー」を感じさせない部分です。
日本でバリアフリーと言えば、至る所に手摺を付けたり、無理矢理にスロープを付けたりしていませんか?
つまりベースのデザインがあって、そこに何かを加えてバリアフリーを実現しているわけです。
これではデザインが崩れるのは至極当然ですし、画一的な如何にもなバリアフリー住宅にしかなりません。
例えば「手摺」の高さは一般に750mm〜800mmが理想と言われます。ダイニングテーブルの高さが大体700mm〜730mm程度。
特に車椅子の場合は座面高が450mm程度ですから、差尺の280mmを加えると理想のテーブル高は730mmとなります。
サイドボードなども700mm〜800mm程度の高さが一般的ですし、椅子の背もたれも800mm前後ですね。
つまり手摺の代わりになる物は、見回せば数多くあるのです。ライトは造り付けの家具でこれらを実現しています。
設計段階でこれらを手摺代わりに使えるよう配置していれば、わざわざ手摺の後付けでデザインを損なう必要は無いのです。